水族館法って何?
水族館法って何?
水族館法に関する記載は徳永エリ参議院議員の2020年11月10日のブログに掲載されています。
https://tokunaga-eri.jp/18481.html
また自由民主党江島潔議員は水族館を応援する議員連盟の事務局長としての言葉を2019年5月25日にフェースブックにあげています。
https://facebook.com/permalink.php?id=562447180537265&story_fbid=2333106860137946
ぜひこれらの言葉を皆様もまずじっくり読んでください。
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我が国には水族館を応援する議員連盟があります。
その議連などの活動の中に水族館法を超党派で議員立法として成立させようという動きが見えてきました。
上記の国会議員等が公表しているコメントを読むと様々な疑問がわいてきます。
そもそも日本動物園水族館協会という長い歴史を持つ展示施設のまとめ役という存在があるのに何故水族館だけが別団体を設立し、さらには別途法律を作る必要があるのか、という点です。
それは議員の方々の文面にも登場するイルカという動物に関わる問題が原因として考えられます。
日本動物園水族館協会は世界動物園水族館協会から「追い込み漁で捕獲されたイルカを会員施設が購入するべきではない」とした倫理規定に反しているという注意を受け世界協会から2015年4月21日に会員資格を停止されました。
世界動物園水族館協会ではこの動きに際してその根底にある理由を表明しています。
「全ての会員に対して残酷で極端な方法で自然に生息する動物を捕獲するやり方を禁じている協会の方針を守るよう求めている」という立場表明を4月22日に行っているのです。
世界協会は実は10年以上前から日本の施設のイルカの入手方法に対する苦言を発し続けていました。
ついに2015年に会員資格停止という最終手段に出たということなのです。
会員資格を失ってしまうと海外施設との希少動物のやり取りなどのネットワークへのアクセスがなくなってしまうことから加盟施設の投票を行い、結果としては世界協会の倫理規定に従い、協会に残ることを決めました。
同時にこれは世界の動物園業界の改革の流れにしっかりと日本の協会も乗ることができたと評価すべき動きでもあったのです。
しかし残念なことにこの動きに対して日本の協会に加盟をしていた水族館の中には大きな不満を感じる施設もあったようです。
結果として日本動物園水族館協会を脱退し個別に水族館のみの団体を立ち上げるという動きが出てきてしまったのです。
しかし問題はこのような業界の分裂ではありません。
前述したように今や世界的にも動物園業界の改革がかなり活発化し始めています。
イルカだけではなく施設飼育が非常に困難であるゾウやクマ類などの飼育方法の大幅な変革や展示の継続を断念する「一代限り宣言」等が世界各国の動物園で見受けられます。
コロナ禍の昨年11月にも同じアジア域内でパキスタンのイスラマバード動物園からカンボジアのサンクチュアリーにゾウが一頭送られました。
イスラマバード動物園の飼育環境が劣悪であり、なんと同国の高等裁判所が閉鎖命令を出したということでした。
このような世界情勢の中で日本動物園水族館協会はここ数年の間に英国の専門家団体の講師を招聘し動物の適性飼育及び福祉に関する勉強会等を開催し自国の関係者教育に意欲を見せてきました。
当然前述したようにイルカに関しても飼育繁殖を基盤とした展示運営をするという立場を取っています。
そのような大きな展示の世界の流れの中でこのような議員による動きはまさに「浮世離れしている」としか言いようがありません。
「日本独自の魚食文化」とは一体何のことなのでしょう?
イルカの展示に対する「愛護団体」による非難、妨害とは一体どのようなことなのでしょうか?
またどうしてそのように非難されたりする、と議員の方々はお考えになったことがあるのでしょうか?
生物を水槽に入れて飼育することが水族館の「社会的役割」、「次世代を担う子どもたちの教育の観点からうれしいこと」なのでしょうか?
確かに日本は水族館大国です。
国土面積あたりの数が世界一であるのみならず、世界協会の忠告を受けた際には日本だけで約500頭のイルカが飼育・展示されていました。
世界的にはイルカやシャチなどの大型海洋哺乳類の展示数は改革の流れ上減少傾向にあり今や世界的にも2000頭ほどではないかと言われています。
わが小国にその四分の一がいる?これを誇りとするか、それとも、、、、、、、
水族館側は「日本人はイルカが好き。だから展示は絶対に必要!!」と決めつけています。
日本人の皆さん、本当にそうですか?
日本人が見たいというからイルカなどの展示やショーをやめられないのだ、という人々の言葉に日本人として皆様はどうのように反応しますか?
また魚食文化という言葉ですがイルカは魚ではありません。
昔から日本人はその様に定義してきた、、、というのであれば日本人が正しい情報、知識を今は持つ必要があるのではないでしょうか?
哺乳類であるから食べてはだめ、と言っているのではありません。
欧米ではブタや牛を食べているから同じという議論も正しくはありません。
全く的外れです。
何故なら牛などの食肉用の家畜の屠畜には厳密なルールがあります。
殺す前にスタニング(意識を失わせる)をする等々人道的屠畜方法は我が国を含め多くの地域で法制化されています。
英国などではそのようなルールが厳密に守られるように今や全国の屠畜場に監視カメラを付けるようにしています。
牛や豚と同じに考えるのであればイルカの人道的屠畜方法を専門家を交えて検討するべきでしょう。
さてさて、水族館法の内容はどのようなものになるのか、どこのお役所の管轄になるのか、皆さん傍観するだけでよいのですか?
山﨑 恵子
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